ゾーン/ひだかたけし
 
燃え立つ光、アフリカの太陽
肉を感じ、自らを感じる
愛の交わり、この肉を産み
名もなき通り*1を歩いて歩いて
一足の靴*2、色褪せ輝き

造形され、濃密に 在る


過ぎ行く時に、

理念を刻み込む、
光景を呼び込み

来るべき時に、

理念を呼び込み、
光景を刻み込む

野蛮に冷静に、温かく見つめて、
この響き合う狂暴な世界を

  *

浜辺の傍の
石階段の村の朝、
緩やかに開ける青空に
幼子の手にて
一枚の紙飛行機、白く飛ぶ
お爺さんが怒る、
光る瓦屋根に
紙飛行機、乗っかり
お爺さんが怒る!

浜辺の傍の
石階段の村の夕
[次のページ]
戻る   Point(3)