ミッドナイト・ラブ/秋葉竹
 


その深き夜
ぼくたちは
この世界に流れる
この世界の闇に棲みついた
ふたりっきりの
夜なのだと自覚した



それからぼくたちは
かつてよりよく知っていた幸せを
なんとか取り戻そうとするのだ

だれにもできない
永遠の愛をふたりが
ぼくたちふたりだけが
手に入れることができるとは
じつは信じていないんだけれど


『どちらかが
先に死んだとしても
残されたひとりは
幸せなまま生きていける』
という
永遠の幸せ

そんなもの
あるわけ
ない

けど

あると
ふたり
信じようとして
信じようとして

ある日気
[次のページ]
戻る   Point(0)