詩の日めくり 二〇二二年五月一日─三十一日/田中宏輔
うっとしてるからかな。
あしたは、入れ歯の型をとる日だ。なぜだか怖い。
二〇二二年五月二十六日 「終りの日」
4作目は、リチャード・マティスンの「終りの日」地球最後の日、母親とすごす男の物語。母親とは宗教観が異なっていたが、最後の日、母親は宗教の話をしないで、しずかに息子とポーチで坐っていた。空は真っ赤になって、気温は熱帯なみになっていた。主人公の男は母親としずかに過ごしていた。
5作目は、アルフレッド・コッペルの「夏は終りぬ」太陽の異常で気温が信じられないほど上昇していく世界。主人公は二人の娘を避難壕に入れる。自分は元妻の所へ行く。なぜなら、避難壕に入れるのは
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