詩の日めくり 二〇二二年五月一日─三十一日/田中宏輔
た。客の話に、時間旅行は可能かどうかという話に混じって、ひとりの人間が自分の思った時間だけ循環させるという話も出て、主人公の話だと示唆される。
さいごの11作目は、バートラム・チャンドラーの「漂流者」島が見えた。漂流者が狼煙をあげている。船が島に近づいた。船が機雷に触れて難破した。生存者はひとりだけ。島に泳ぎ着いた。さきに狼煙をあげていた者の姿はなかった。島を探検すると、恒星間宇宙船の残骸があった。調べると5人の死体が見つかった。男は狼煙をあげた。すると、島に近づいてくる船があった。しかし、その船は自分が乗っていた船だったことに気づく。男は機雷に触れた船の唯一の生き残りだった。ふたたび、男
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)