今日という時/ひだかたけし
 
痛む眼、病んだ肉体
青い空、道行く人々

街は今日に開かれ、

ぽつん、ぽつりと
言葉をあらわし

わたしは私を突き放つ、

晩秋の街並みに
繋がり起立し

深く浅く息を継ぎ、

行き交う人、一人一人を
静観する

 青森から、焦がれ東京に出てきた君、
 君は今日も患者のオムツを代え





痛む眼、病んだ肉体
青い空、道行く人々

街は今日に開かれ

私はわたしの異邦人

自らの課題に身を委ね
肉を引き摺り生を刻む

到来する死に備え、
日々努めながら
今日という時を生きる

老いゆく自分を見つめ、

狂うを正し、

光のなかを叡智が生き








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