彼女へ/秋葉竹
らいの
星の海だろうか?
遠いむかしの
幸せなメロディーを想い出す
それは
あの人のくちびるからこぼれる
《はっしゃばい》
私のくちびるは
カサカサでひび割れて
こんな様になっちまって
だれにもキスすらできねーや
なんて、ね
そんな相手もいねーから、
いーや。
くだんの月光が
海沿いの国道に
あかるい夜をふりまいてくれるなら
生きても
生きても
終わるまで生きても
良い、と、想えたんだ
どうせ人はひとり。
ひとり、ひとり、影をまとって生きている
たとえれば
どんなに苦しい日々も
ひとりで
耐えて来た
だれにもすがらず
だれにもたよらず
てね。
そんななかで
なぜか私にやさしくしてくれた
ひとがいたのも
ほんとうだったりするから
生きる、って。
素晴らしい、ね。
って。
想ってみても、
いいんだよ?
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