朝の鼓動/
ひだかたけし
朝の光、溢れ
青の天空、雲一つ無く
血流、脈打ち
わたしが居る
踏み切りを渡る銀輪の輝き、
若者たちの声のさざめき、
赤子はベビーカーの中に寝入り、
杖つく老人の覚束ない足取り、
清明な内面が外界を透かし
均衡保ち
今此処に立つとき、
朝の光、溢れ
青の天空、遥か高く
鼓動、確かに
新た独りに、私は生まれる
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