残された怠惰/岡部淳太郎
 
こか焦燥感のような気持ちもある。同時に僕は、ふと訪れたこのような状態を、抗うことなくぼんやりと受け入れることに意味を見出しているようなところもある。焦燥感があるのならば、それに従って何とかしようと、この状況を変えようとするのが正しいのだろうが、いまの僕にはそれをするのは状況に抗う愚かな行為にすら思えるのだ。状況に抗わずに、それを何も考えずにぼんやりとした気分で受け入れること。その貴重さのようなものを僕は感じて、「いま」という場所にいるのだ。
 実際、時は常に「いま」しかない。まだ現象していない未来に思い煩って、いたずらに「いま」を消費するのは愚かだ。人は過去のことであれば「いつまでも過ぎ去ったこ
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