理由/ 湯 煙
 
間の手を借り、コマを無くした二輪車の、バランスを取りながら夕闇の中、

(友の存在は頼もしく、その恩を忘れてはいない。

 ロボット───寡黙な父から手渡された一台の、
        黒いフレームの自転車───誕生日。
    
        商店街を走っている、

        角で立ち止まる、  
  
        ダレノモノカ?

        おびえ、
        心細さにひとり、
        べそをかく、

          走っていく──────



    “A SONGS”

{引用=wonder world,
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