夜よ/秋葉竹
夜よ、夜よ、夜よ、夜よ。
夜のとばりの中へとわたしを、
連れて行っては、くれやしないか?
夜、風切って、走った、むかし、
走りながら、どこまでゆけば
夜のとばりへ到達するのか、
わからないまま、
疲れきるまで
汗も拭わず
走った、むかし。
忘れられない、バカ正直に
なにかを無心に信じていたころ、
忘れてしまえば、なにもないので
あの夜だけは、忘れやしない。
夜よ、夜よ、夜よ、夜よ。
夜のとばりの中へとわたしを、
連れて行っては、くれやしないか?
お願い、だから
夜。
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