追憶、そして/秋葉竹
しているのは
紅と黄色の秋もおわりかけの
落葉を踏みしめる
カサカサという
乾いた過去からの記憶の音色。
今尚、
引き返せないのは
傷んだ胸が
透明な血を流すから
幾たびも美しい夜を越えて
ようやく眠れるのか
暖炉の前で大きな犬といっしょになら、
それからも
行くべき道がわからないというならね、
いままた、
なまたまごを
グシャッて割るように
こころを裸にされてしまった
もう、
戻せない、
追憶、
美しい想い出が
ガラガラと音を立てて
崩れる
かつて優しかった
在りし日の
遠い幸福。
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