追憶、そして/秋葉竹
なまたまごを
グシャッて割るように
こころを裸にされてしまった
ひとすじ、
流れ落ちたのは
悲しみを無視して
終わりにしようとして
笑ったとき。
その唇、
きっとホンキで
傷の痛みを告げる
ずいぶんと長い間
明るい嘘をついてきたんだね?
あなたさえ
抱きしめてくれたなら
世界があたしにあたえつづけた
憎しみのすべてを許してあげる
蕩けるのは
背筋にそって
スーッと
人差し指で
ゾクゾクさせてくれたから
カンタンにスキとか
云えないほどの
純情さで
好き。
て云うけど、よい?
あたしが今、
耳にして
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