風景/こむ
 
風景と向かい合って
何か頼りになりそうな
感情をさがします

昔から とびきり素敵と
言えるような風景では
ありませんでしたが
そこの道をたどってゆけば
何か少しは
納得のいくものが
あるかもしれないと
思えたものでした

空だとか 海だとか
どこまでも続いているくせに
何も手渡してくれない
そんなものには
わりと期待せずに
いられたものでした

真昼の道のウインドウに
私の姿が映っていて
ただ 私が
ここに いるのでした
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