欲望のもとにすべては引き裂かれる/ホロウ・シカエルボク
…彼らは自分以外のなにかを崇拝することが得意だからね―俺はいつしか彼らに向けて呼びかけるのをやめた、どんなに声を張り上げたって、どんなに巧妙な手段を用いたって、それは絶対に届くことがないものなのだと理解したからだ、そして、この世界が、それ以外の人間というものをまるで必要としていないことも―そう、だからこうして、自分自身の為にしぶとく生き続けているというわけさ、だって俺のはらわたは、まだ衝撃を欲しがって喚き続けているのだもの。
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