欲望のもとにすべては引き裂かれる/ホロウ・シカエルボク
 
落ち着いてしまう、俺は小さなころからそんなやつらが不思議でたまらなかった、あてがわれた真実を自分の真実のように語るやつら、陸の上の船に乗って、海に漕ぎ出すこともないのに世界を知っているように話すやつら―現在、現在という存在、そいつらは、疑問符の前で立ち止まることを許さない、そんなところで立ち止まっている暇などないぞ、言われた通りに動け―そんなことについて考える暇などお前にはないはずだ―考える隙を与えず、与えるものを享受することだけを教え込み、やがて疑問符は生まれなくなる、そうしてそのまま歳を取り、横に居るやつとほとんど違いの無い人間になってしまう…俺は彼らの目を恐ろしいと思った、なにを映し出すこと
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