月のうた/秋葉竹
 
  

ゆううつを
日々のふつうの感情と
想うこころに突き刺され、月


空よりも
胸に開いたポケットに
清い雲など詰めこみたい、秋


白い嘘、
吐いて近寄る悲しみを
知らないなんて笑顔で云う、ひと


モノレール
駅でガラスの花を摘む
真似をしながら泣かないで、指


海鳴りの
ふと吸いこまれる寂しさを
その身に浴びて翔ぶ夜の、蝶


震えつつ
それでも立ち向かおうとする
君のその眼に射抜かれた、街


月に住む
ただあの人のことが好き
醜いむかしはもう棄てる、夢









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