散逸〇独りの異人の声、聴きながら/ひだかたけし
浴び
死者が行く
闇の奥、光の中
渦巻く潮の底に
澄み住む、もの
燃えながら平静に
内面を曝す、個体
鋭角に持続する時間は
死の淵に流れ落ち
神々の紫の眼が光る
荒れ果てた季節を乗り越え
わたしはあなたと向き合う
今、
横になりながら
飛び跳ねながら
独りの静謐な自我に聴き込り続け生き
孤独に起立する声に時の窪みへ導かれ
雨上がりの虹、最期に吸われた息、
あなたは永遠に若く すべてを注ぎ与えた
ーDavid ・Bowie に
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