2004年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
 
きなものに 
うつつを抜かして
翼は 閉じたまま
透き通る ピエロの影


翼は夜を 翔ける浪漫
好きなものひとつ得られず
悲しんでるピエロに
月の明かりが見えますか


ピエロになれない道化師は
ことばのしずくを音に替え
萎えた手足と翼も折れた
あなたの背中がすきなもの


すきなもの 君と
探して 歩む
春は 日向の 緑 
土手に咲く ふきのとう

翼は臆病な背の 小さな希望
ひとり 夕暮れに ひらく 
透き通った 羽根 薄く
揺れて 震える 光


ピエロのドーラン 剥げかけて
あやつる糸の 絡まれば
動きは 取れず

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