2004年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
みしい帰り 道
大人なのに ぷらぷら 独り
ネオン街のマンション 見上げ
「子供居るのか…。」 鯉のぼり
ベンチを探して
薄野から抜けた
大通り
夜更けのことだよ
はらりほろりと
月の光 いつも変わらず
闇夜の鯉 照らされて
しんと更けたる
ちょっとさみしい
雨 濡れそぼり
空 泳げぬ
鯉 のぼり
ベンチに座った
ボクのため 降りてきた
きつね 雨に 化かされ
声 たてずに 泣こう
はらりはらりと
母の流したちょっと寂しい
涙の訳を 離れた
ベンチで はらはら想う
ちょっと淋しいベンチの上に
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