2003年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
 
潰れた囁きは
とうに諦めてしまった
秋も深まり 戻れぬ影ふたつ


限界がまたたく間に
ひそみ鳴くむくどりの群れ
枯れゆく梢に集いはぐらかし
はぐらかさるる雨の雫

★*゚*☆*゚*★*゚*☆

10/21
秋の日の 初恋の想い出は
落ち葉を踏むと しくしく痛む
音も無く降る 北国の雪に
しんしん  埋まるまで


決めてない 午後のひと時
日向ぼっこの恥じらいに
黙って お茶をさしだして
二人味わう 冬の足音


ひとつふたつ絡まりて
雪虫の舞う思い 重ね
思い出寒き ふるさとに
寂しさ掬い ほろほろと疼き

秋を流れる風みどりに
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