2003年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
 
吹くふきのとう


「お願いします」の気持ちを込めて
鼻につけた握りこぶし(さ)を
前へ出しながら手刀(て)にする
それが、手話の挨拶 「よろしく」


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12/09
背中を越えられない
小さき父の 退屈を想う
幼き子等に 囲まれて
ヤカンの蒸気 団欒に寛ぎ


高らかに 
朗らかに
健やかな声の
ある居間


針に糸を通せなくなりし
母の夜なべの繕いは
いつしか 
子から孫の着物へ


せなかだらうか
かたからなだらか        
たからかな はりがふれる     
ゆめの さかなたちよ

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