2002年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
 

ベロッと舌出し 息絶えし
八の字眉の トンマ顔
優しさの本質 異相なる現実


波間に浮かぶ 泡沫の中に
大きくなりたいと 叫んでいた
んでねが、わらしこ! 八郎の
あれは今でも 聞こえているか


知りたかった野(の)駆けの途中で
激烈な夢に味わう 甘美の滴
吸い込んだ淫靡な香りに
恍惚を覚え 箱詰められし直感の蜜柑


たくさんむさぼり 微かに震へ
たっぷり うごめく潮の香りの
ねっとり とろけたる眩しき処
柔らかい月 光の中


波のようにと 繰り返しうねる快楽に
逆向きの這う舌の 予告も無しに のた打ち廻る
互いの腰の もち上がられし
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