ノイズまみれで抗え/ホロウ・シカエルボク
俺にはそうしたものをわざわざ記す必要がない、それはすでに書き上げられているし、更新され続けている、その景色にまつわる新しいものが書けなくなったその時に、目を閉じて棺の中に横たわればいいだけだ、昔は何もかも明快であるのが真実だと思っていた、すべてにきちんとした答えがあることが正しいのだと、けれど、それは結局のところ自己満足に過ぎないのだ、答えなどどこにもない、本当に目の前にあるものがすべてなら、そのことを知ってからにするべきだ、見えるままではない、けれど、見えるものを疎かにしてはいけない、その上で、目の前にあるものを静かに見つめてみればいい、百万の要素、百万の答え、その混沌の中を潜り抜けてきたあとで
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