正しい間違い/這 いずる
新しい朝が来るのが嫌で、それは誰も理解しないことで、新しい美しい朝が、過去の自分を殺していくのは確実にそう、遠い過去に存在する幽霊みたいな自分が、自分の地続きだって、確証を持って言える?遠い未来に存在する蜃気楼みたいな私が、今の私と関係してるって言える?それを信じて明日を、喜ぶことできる?正しい人たち、ねえ、正しさを見せてよ、私が間違っているって言えよ。私がすべて間違ってるから、間違った考えで、間違った言葉で、間違った生まれで、そんな残酷なことを考えて、それが正しさなんだって、正解なんだって。かなしいね。正しい人たちのための世界に間違って置かれた、正しい世界に帰りたい、そんなにおかしいかな、でもきっと間違っているんだろうね、きっとどうでもいいだろうに、ありがとう、これがきみたちのためにもなる唯一の方法だと、思って、正しさがなくて、間違った人間は間違ったことしかしない
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