女學生日記 三十五/TAT
 
讀書につかれた私は何氣なく窓邊によつて戸を明けた うら寒い風が音もなく過ぎて行く 月はつめたく光を放つてゐる 星も寒さうにふるへてゐる 夜はすべてのものが冷たく淋しい
なんだか泣きたくなつて侘しい氣がした



十月十日 火曜
天氣 晴
起床 五時三七分
就床 十時三九分

朝礼運動場でラヂオ体操は無く行進を致しました
一限國語 四限図画と入れ替りました
課外運動は二十一日のマスゲ|ムの時にする運動をしました
今日熊田でペン先を買つた

小さな雀
雀の色は焦茶です
少し寂しみをおびてはゐるがそれが何時も動いてゐるのですから面白い
雀の頭の圓い事と云つたら有りませ
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