品性の喪/
草野春心
かの女は亡くなった
たとえばの話 飴玉を 歯でくだいた
あらい生地の 喪に服して
いななこうとする肌の
ごく健康な寒気
葉かげでつぎつぎ破擦する 秋の虫の
宝石匣に詰められ わたしたちは
品性のかたちにくずれていく
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