裏切り者よ、愛に、死ぬな/秋葉竹
 
  

いちばんやさしく愛する心は
白い心の中にある。

ガラスの欠けらのような
三日月が夜空に刺さる。

どこにもさみしさなんかない。

秋はとても自然がやわらかい。

むかし悲しい胸を偽った、想い出とか、
顔を想い出せないヤツの、キスの甘さとか、
傷を傷として、気づけないうちに
心を尋ねて、さまよう夜になる、
その瞳をそっと閉じてあげる。
逃げたいから、走った、消え入るように。

それは誰への「愛の逆立ち」だったのか。

愛の、ガラスの胸を
叩き割った一瞬から、
三日月は、悲しくダイヤ色に光る。
どこに絆を探すのか、さえ
ひとりでは、忘れてしま
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