ゴッホ、あるいは思考するもの/ひだかたけし
見えるものがある
見えないものがある
意識はどちらにも開かれ
わたしは目醒めながら
じっと耐え見据えている
白い骨、剥き出された肉
灰色にウネル空、歪み伸びる糸杉
無数の肢体が躍る宇宙に
純白の雪が舞う
川と大洋が交じわりぶつかり合う
河口に直観の波柱が逆巻き
水平線に火炎が燃え立つ
人の走破を待って、人の突破を待って
見えるものが在り
見えないモノが在り
入り交じり混淆しながら
セカイは唸る、渦巻く
透明に重なり合う、
二つの次元に
橋を架けよ!
新たな花、頂きに開く瞬間、
生まれたての子供が笑う
蒼い岩塊は無言のまま、
白光の稲妻が大地を裂く
私たちは今、何処にいるのか?
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