月夜のひかり/soft_machine
 
うさぎの奥歯ひろった
ナイフにひらめくかがやき

しずかに落ち葉かさねた
鳥の朝とおなじ不安

枕は人の恋を
大袈裟ねと笑う

勝手に覗かないでって
あれほど言ったのに

舟をつつむ風が夢を見る
自分もいつかは木片になって

空を飛べる日がくる
灼かれる日がくる

どんなに写しても残せない
世界はそんなもので一杯

窓辺は退屈なほど清潔で
月夜のひかりは後悔していた

雪を照らすのもいいが
持たなかったことを

あの人ひとりくらい
温められるぬくもりを


戻る   Point(0)