パーキンソンの法則という病/イオン
「作業時間は使える時間一杯まで膨張する」
第二の法則は
「支出額は収入額に達するまで膨張する」
大きめの鞄を買ったはずなのに
いつも鞄はパンパンになっている
大きな冷蔵庫を買ったのに
いつも満杯になっているという事例は
まさに私そのものだった
プロジェクトがギリギリ間に合って
いつもより残業時間が多くなったので
来月はあの服が買えると思っていたら
打ち上げの飲み会になって散財した
そして法則になるくらいものには
打ち勝てないと開き直れて
やっと自由になれたのだ
それから私にとって人間は
死ぬギリギリまで目一杯生きるという
パーキンソンの法則が自然であって
余裕のあるほうが不自然なのだと思うと
自然体でいられるようになった
それが病だとしても一病息災
震えた指先で父親が示してくれたのだ
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