花を負う/
木立 悟
れた光になり
見捨てられたものすべてになる
見えない子のあとを
見えない花を負って歩き
低い風のなかに降ろすと
よろこびはほどけて
無数の見える小ささとなり
ふたたび見えなくなりながら
風のかたちを描いてゆく
光は花のかたちに問いかけ
手のひらはふたつ
包みこむように応える
冷たく やがてあたたかな
滴のままの流れになり
手のひらに
それを見るものに
あふれる
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