鴨居玲の絵画から2/紀ノ川つかさ
風船
見上げる
あれは月か風船か
オリーブ色に染まった空に
浮かんている丸いあれは何か
風船ならば風に乗って
旅をしている最中だろう
月ならばこの星を見下ろし
憂いている最中だろう
まあ何であってもいいではないか
俺はとにかくまあ
見上げて生きていくのだ
今さらうつむくのはごめんだよ
教会と石
私は知ったのだ
教会は大地から生えてくるものだと
どうりでここでは誰もの心に
神様がおられるわけだ
教会はそして成長していく
人々の神様への思いを吸い
育っていくのだ
高くそして荘厳に
そして皆の心を掴み切ると
それは大地から浮き上がり
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