無窮の歌/
ひだかたけし
自由の意志を捉えろ!
へんてこりんへんてこりん
ザンザン続く雨降りが
路面を濡らし漆黒の闇
行き交う人々はうつむいて
ひたすら赤い林檎を頬張り食う
今や娘は見事な胸の膨らみを
誇らしげに見せつけて
男どもの欲情を掻き立て
秘めた闇を抱えながら
独り密かに跳躍する
無辺の夜空に
無窮の天空に
おだやかに、たおやかに
流動する大地を蹴って
お父さん、さようなら
わたしはこの土地にはもう何処にも
住む場所が無いのです。
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