白い麦わら帽子/秋葉竹
なにを泣けばいいのだろう
この空虚(うつろ)な悲しみには
なんの意味もないと
知らされて
白い麦わら帽子をかぶり
あの
マチュピチュとは似ても似つかない
梅田スカイビル
空中庭園から
宵の風に吹かれながら
大阪を眺めながら
どこへも行けない呪いに
後ろ髪を引かれる
大きな夕陽があり
西の空が
いつもより明るいみたいだとか
透明な新月は視えず
東の空には
涙が凍った傷みたいな
星たちがまたたいてるとか
だれからも
好かれないんだから
だれのことも
好きじゃなくてもいいとか
そんな
強情な大嘘をじぶん
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