詩の日めくり 二〇二一年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
ーシュラ・k・ル=グイン『革命前夜』佐藤高子訳)


二〇二一年十三月十九日 「断章」


 帰ってきたいのなら、前進を続けなくてはならない、というのが、『真の旅は帰還である』と書いたときの彼女の真意だった。
(アーシュラ・k・ル=グイン『革命前夜』佐藤高子訳)


二〇二一年十三月二十日 「断章」


「個人的には」と、ホーガン社長はいった。「わしは寄せ波にプカプカうかぶプラスチックびんを見るのが好きだ。よくわからんが、なんだか自分が永久に残るものの一部になったような気がする。きみに伝えてもらいたいのは、この感情だ。さあ、戻って短報の仕事を片づけろ」
(フレデリック・
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