灰汁/あらい
 
の日は確かに
ピシャリとするほどの冷たさで
はくいきは綿毛のようにすっと消えるものでした、
心なしかしゃんとするような玻璃の中では、オンナは
灰に封じ込めたナリ(かたち)でした

薄い茶が凍りかけていました
踏みつけられたラクガキの、護美箱から溢れた
夢や希望を浸水させ
書き連ねた、いっぱしの名は呼ばれることはなく、
着せられることもなく無垢なまま、

ただ皎く宙を穿っておりましたので。
戻る   Point(2)