灰汁/
あらい
の日は確かに
ピシャリとするほどの冷たさで
はくいきは綿毛のようにすっと消えるものでした、
心なしかしゃんとするような玻璃の中では、オンナは
灰に封じ込めたナリ(かたち)でした
薄い茶が凍りかけていました
踏みつけられたラクガキの、護美箱から溢れた
夢や希望を浸水させ
書き連ねた、いっぱしの名は呼ばれることはなく、
着せられることもなく無垢なまま、
ただ皎く宙を穿っておりましたので。
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