世界の真実(十二)/朧月夜
 
「やはり、これは罠だな?」アイソニアの騎士は、オーマルを睨(=ね)め付けるように言った。
「大方、俺たちのような厄介者を、ドラゴンに食わせようというのであろう?
 その手は食わぬ。そもそも虹の魔法石などと、本当に存在するものなのか?」
アイソニアの騎士に対して、”オーマル”は言った。「それは、ございます」──と。

それは、再び女の声だった。まるで正気を失った狂人が己を取り戻したように、
オーマルは、そこに粛然と立っていた。ヨランががっくりと来た。
というのも、彼はもっと多くのことをエランドルから聞き出せるものだと、
考えていたからである。しかし、今ではどうしようもない。彼は去った
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