EN DLESS SU M MER/本木はじめ
乱反射している飛沫に映るきみ刹那に過ぎ行く夏のはじまり
六月を雨の季節とたとえれば花嫁たちのヴェールは時雨
水の中の八月だから転校すきみの街までクロールでゆく
ひたいから流れる汗に目を閉じる闇の数だけあるのか夢よ
またしても入道雲の不安定 肺から肺へと移る夏呼吸
みぎひだり交互に腕をうごかして世界を沈む泳法で浮く
懐かしき森の空気に目を閉じて舐め合う甘き夏の傷跡
降り注ぐ花嫁たちの花束の雨に見とれる少年の夏
いくつもの風をくぐってきみの待つ夏のバス停思い出となる
目が覚めて滴り落ちる夢の跡プールサイドに夏の抜
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