詩の日めくり 二〇二一年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
のは、唖然とするほどの単純性だった。そこで行われているすべてのゲームは第一相の数系列に基本をおいていた。いや実際、惑星フロリダ上のすべての営みは第一相の数に基本をおいているように思えた。
 第一相の数が自分自身の中にその現れ方の手掛かりを含んでいないことは基本的な原理である。この星の人間達は第二相の数系列の把握によって可能になる数予想の鍵をまだ発見してさえいなかったのだ。
(R・A・ラファティ『この世で一番忌まわしい世界』?、井上 央訳)


二〇二一年十二月十日 「熊谷ユリヤさん」


 熊谷ユリヤさんから、詩集『記憶の翼は果てしなく交錯し』を送っていただいた。採り上げられている
[次のページ]
戻る   Point(13)