讃歌/ひだかたけし
 
花から花へ
飛び廻る蝶のように
わたしのたましいは
かろやかに
破壊と暴力を孕みながら
次々と新たな時を
点火していく

  *

震える両手に溢れるもの
痛む両眼を支えるもの

とこしえの海辺に
未完成のまま佇む私に
口承のような声の木霊が
水平彼方から降り注ぐ

歓喜に貫かれ歌い出す
ふらつきながらゆれながら
花から花へ飛び廻る
虹色の蝶のように

超常現象?
五感を超えた世界?

そんなの
当たり前にあるんだよ
驚くなかれ、この現実は
(みんな、ただ、まだ
みえないだけ
みる気が、ただないだけ)

内も外もなくなって
円と円
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