詩の日めくり 二〇二一年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
、並かな。本文はきれい。
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二〇二一年十一月三十一日 「断章」


 二人は、ミュケーナイの黄金の仮面、生と死との間に存在する、第二の顔、おそらくは他者がくれる唯一の顔で、死者へのたったひとつの贈物ともいうべき、葬式の太陽のような、その仮面を見に行ったのだが、つまりそれは、生の顔と死の顔の間には、その両者を包蔵し、あちこちでその代役を演じて見せる、もうひとつの顔があるのだということを理解するためでもあった。
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)



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