長い漏電/ホロウ・シカエルボク
なことに思えた、周囲の者が黒を白だと言えば、全員がそうするのだろうか、そんなことをしているのと同じことのように思えた、俺はずっとそうして変人のままで居た、中学はそんな風だったが、高校になると集団性はますます奇妙なものになり、二年が終わった時に落第したのを期に退学した、それから両親も俺に何かを期待することはしなくなった―思えばあれからずっと、同じ景色を見ながら生きているような気がする、画面越しに見る人間みたいな、体温を感じさせないやつら、では俺はなんだ?鏡に映った自分自身は血の通ったものに見えるだろうか?何度かカッターで身体のあちこちの皮膚を薄く切って、自分が生きている人間であることを確かめた、馬鹿
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