長い漏電/ホロウ・シカエルボク
地面に落ちた配電盤は鈍器で何度も殴られたかのように、陥没の挙句にあちこちが断ち切られていた、俺はそれを見下ろしていた、もう何時間も…夏だったが湖に近いその場所は薄ら寒く、薄っすらと霧に包まれていた、配電盤の蓋を開けようとしたけれど歪みが酷過ぎて不可能だった、家屋ひとつ無い小さな草むらにどうしてこんなものが捨てられているのかわからなかった、最初はただ奇妙な感じがした、それだけだった、けれど俺は、数分が経過するころにはそいつから目が離せなくなっていた、魅入られたと言ってもいいかもしれない、俺の中の何かがそいつに反応している、それはもしかしたら共鳴かもしれない、でも俺は突き詰めようとはしなかった、答
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