森の地図/soft_machine
花は他の虫と語らうが
ぼくには出来ない
針の影は時との約束を守る
それが、息を繋いだきみと出来ない
解かれればいい
最後まで見つからないから
人は森に惹かれるのだと云う
何が見つからないのか
遂にことばも応えられず
眩しい空に、身体を絡ませる
* * *
森の眠りは果てしなく
全て真っ直ぐなもの 平らなもの
どれも鎧える幼さを勇気づけてくれる
目を覚ませば枕がわりの
地図はひと塊の灰である
確かな夢より 計り知れない無情で
震える粘土 砂と土
もし、ぼくが
いや、誰かでいい
霧が晴れないこの迷図で
手に余る無言を コップ一杯に汲めるなら
固い幻も
決して燃え尽きない
もし、きみが
この落し穴から無事に還れたなら
ゆっくりひろがる永遠に
誰も知らない歌を聴かせて欲しい
生まれたての魂に
いつか地図にない森が見える
痺れを知って 座って
瞳を伏せて 探すなら
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