詩の日めくり 二〇二一年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
ぐあと、まどろむペリカンたちとともに芝生にたたずんでいた。
(J・G・バラード『夢幻会社』21、増田まもる訳)


二〇二一年十月十六日 「断章」


 無人の通りを大股に歩いていき、そして最初の街灯に手を触れて、それのおれの精液をなすりつけた。一本の火のような蔓草がくたびれたコンクリートに巻きつき、頭上のランプに這いあがって、そこでトランペットのような花を咲かせた。
(J・G・バラード『夢幻会社』21、増田まもる訳)


二〇二一年十月十七日 「炎の大陸」


 18作目は、イワン・フォウストカの「炎の大陸」トリスタン星の陸上に住む者たちは単純作業を繰り返していた。海
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