Free/ホロウ・シカエルボク
 

心理の奥だけで生成される言葉がある。

それはおよそ会話の中で表現されることのない領域であり、わざわざ潜らなければ掬い上げることなどまず不可能なものである、深海魚のようなものだと思ってもらえばいい。しかも、捕まえようとすると砂に潜ったりする、砂に汚れる海底を懸命に捜索して、結果手にしても最初に見たものとはまるで違うものだったりする―二、三度そんなことを繰り返すとなにを探していたのかさえ曖昧になってしまう。息だって続かなくなる。人工的な補助があろうとなかろうと。詩作という行為をわたしなりに?み砕いて話すとそういうことになる。そういう行為を何十回何百回と、思考が必要ないレベルで繰り返して練り上
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