アヴァロン〜すべての病んだわたしへ/ひだかたけし
 
哀しみの声が
何処までも伸びていくとき
限りなく独りで
魂の神聖な場所へ
融合する
明日、土の下に
埋められてもいいように
深いあこがれを抱いて
壊れた肉体の神経感覚系に
復讐し詩の力で超越する

澄んだ泉の深み
何処までも潜行し
眠り込む直観を
目醒めさせて

白い満月の夜、
私たちは旅に出る
理性が競争が優劣が批判が支配し
ヒューマニズムが全てを隠蔽する
この世界から逸脱し
満たされない不断の思いに駆られ

蠢く闇のなかを潜行する
深く深く、夢にみた
あのもう一つの現実を目指し
響き重なる哀しみの声に導かれ

わたしは自由を意志する
兵士は常に背後に控え
闇の暴力は理性に支配されても
澄んだ泉の深みで掴んだ
直観を行使し
私たちはアヴァロン、
愛と自由の王国を臨む

闘う必要はない
ただ今は耐えて光を眼差し

戦う必要はない
ただ今は耐えて
光の海を想起し

ひたすらにあこがれて、
ひたすらに憧れて








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