中秋の名月の、「よふかしのうたぁ〜?」/秋葉竹
わかるようにも想えるけれど
じつは人間なんかにはとてもとても
ほんとうには
じつはぼく自身が
ほんとうは吸血鬼なんだって
知ってる
やましくなるほど
君の血を吸いたいってはなし
そんなはなし
かつて
したこと
あったっけ?
ま、ちょっとあからさまに
恋愛を吸血行為にたとえるのも
人の愛の底がみえた気もするので
最後まで
よふかしをしながら
いったいいつ寝てんだよ?
とか
カラダを心配してもらいながら
世界中の寂しげな微笑みを
抱擁しつづけるつもり
なら、
いつも、いつも
いつまでも、
このしあわせすぎたこの夏を
忘れることなんかできやしないんだ
ちなみに、
あの小さなよっつの島で
明るすぎる満月の下で舞い踊った
黄色い瞳の吸血鬼の罪は
綺麗すぎたこと
しかも心を
純白にして。
首すじを
噛むんじゃなくって
キスしたくなるくらい………
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