音楽の光景/
ひだかたけし
驚きと懐かしさの深い感情が
ひとりの子供の魂を打った
*
今、ひとりの子供は老年を迎え
その魂に複雑な格子模様が錯綜して
意識は奥まり広がり響きの舞台となり
哀しみや歓喜や憤怒や悔悟や驚きや郷愁や絶頂や
あらゆる感情が暴露され晒されていく
魂に意識に鳴り続け木霊する
壮大な音楽の響きに
魂に意識に刻み込まれ木霊する
聴き入るあらゆる音楽の実在に
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