流れるごとく書けよ、女詩人/藤原 実
 
晴らしいことなのですが。

『現代女流詩人集』(山雅房, 1940) で中村千尾は、
「詩は私にとつて美學に於ける一つのエキスペリメントに他ならない。私はその意味で自分はまだ一人の女學生に過ぎないと思ふ。
詩に於けるハイブロオの精神、エトナ的精神、これは私の屬するVOUクラブ(舊名)に於て原則として私逹が守つて来た詩精?であつた。この様な強靱なものの中で私は自分の詩を育てて来た事は今は只滿足に思はれる。
純粹な貝殻は比較的最近の作品を集めました。純粹なものへの憧憬と美のために私はこれらの詩を書いたのかも知れない。」

と彼女の信じるモダニズムの詩学への忠節を示しています。彼
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